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2020.3.2 みすず野

 厚労省によると、月額10万円未満の年金受給者は全体の6割以上を占める。現在の高齢世代は農業者や自営業者が多く、国民年金しか加入していないこと、夫が勤め妻が専業主婦の時代で、夫に先立たれた妻の年金額が少ないことが考えられる◆生活費の不足分は、貯蓄の切り崩しなどで補っている。国民年金だけでは厳しいというのに、この保険料の未納や滞納、未加入の問題が起きており、例えば松本市はホームページで「保険料を納期限までに一括納めると、割引になります」「400円上乗せすれば、より高い年金を受けられます」などと呼びかけている◆被保険者の実質的な未納率は48.4%に上る、と指摘するのは元官僚で、経済研究所部長の島澤諭さん(『年金「最終警告」』講談社現代新書)。仮に全額免除で長年来てしまった場合、受け取れる額は本当に少なくて、「蓄えのない低年金の高齢者は生活保護に殺到する」と◆いま生活保護世帯は160万を数える。35~44歳の「就職氷河期世代」には非正規や無職が90万人いるとされ、将来生活保護に頼らざるを得ないとすれば、負担は大幅増。対策が求められるゆえんだ。

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