政治・経済

菅江真澄直筆史料12点 塩尻市文化財に

市有形文化財指定が決まったうちの1点『古今和歌集序

 塩尻市教育委員会は25日、江戸時代の紀行家・菅江真澄(1754~1829)の直筆史料12点を市有形文化財に指定することを決めた。いずれも天明3(1783)~4年、真澄が本洗馬(現塩尻市洗馬)の地に滞在中に書き残した和歌や草稿、詠歌集などとされる。市内に残る真澄の直筆史料が文化財指定を受けるのは初めて。

 現在の愛知県三河地方に生まれた真澄は30歳ころ故郷を離れ、76歳で没するまで各地を遊歴した。本洗馬は旅の初期に立ち寄り、1年余り滞在しながら住民との交流や習俗への造詣を深めたとされる。
 12点は洗馬小学校や個人の所蔵で、本洗馬の文人たちと詠み交わした和歌「九月十三夜」や天明4年の日誌『すわの海』の草稿、滞在中に詠んだ133首をまとめた『雄甫詠草』や『古今和歌集』序文の書き写しなど。本洗馬滞在中に和歌を修練したことを示すほか、以後生涯にわたって続く「和歌による交流」という旅のスタイルを培ったことを示す。
 市文化財保護審議会の答申を受けて指定が適当と判断し、3月初めの告示で正式に指定する。今回の指定で市有形文化財は58件になる。本洗馬歴史の里資料館の中原文彦学芸員は「200年余にわたり直筆を継承した先人たちに敬意を表し今後も末永く守り継げるように」と話し、さらなる研究や顕彰の広がりを期待している。

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