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浅間に今春 複合宿泊施設オープン 飲食店や書店も

 松本市の浅間温泉で今春、ホテルやレストラン、書店、雑貨店などが入った複合施設がオープンする。出版や旅館運営などを手掛け、平成30年から浅間温泉3の老舗旅館・静保庵ホテル小柳も運営している「自遊人」(新潟県南魚沼市)が、同ホテルを大規模改修して複合施設にする。合わせて敷地外の施設の改修も進めており、一帯を「松本十帖」として周遊性を高めることで、温泉街全体の活性化を図る。

 小柳の施設内には二つのホテルと書店、信州産の食材を使った料理を提供するレストラン、雑貨店、ベーカリー、蔵を改修したシードル工場などを設ける。ホテルは書店の本を楽しめる「ブックホテル松本本箱」(4月末開業予定・24室)と、バリアフリーの「ファミリーホテル自遊人」(7月以降に開業予定・14室)で、どちらのホテルも広々とした全個室に源泉を引いた露天風呂が付いている。
 創業約340年の旅館の風情も生かし、改修後も一部の建具や柱は再利用する。書店は「本に漬かる」をテーマに、旅館時代の大浴場の湯船を店内にそのまま残す。敷地内には江戸時代に下級武士が訪れた小さな湯小屋「小柳の湯」も復活させ、宿泊客が利用できるようにする。
 敷地外も歩いてもらおうと、施設から約150メートル西にある昔ながらの共同湯の一部を改修して、ホテルの受け付けとする。さらに施設から約50メートル東にある空き家の長屋はブックカフェ「哲学とあまいもの。」に改修し、長屋の外観はそのままに、哲学書とスイーツを楽しめるカフェにする。
 自遊人の岩佐十良社長は浅間温泉について「殿様が湯治に使った歴史があり、近くに大学やホール、体育館などがあって文化も発展している」と評価する。その上で「『地力』はある。地元の人もこのポテンシャルを忘れてしまっているのでぜひ買い物帰りに寄ってもらい、活気ある風景を取り戻せたら」と力を込める。

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