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氷河時代の明科映す化石 豊科郷土博物館で展示

 氷河時代の末期に当たるおよそ1万5000年前の氷期を生きたとみられるシカ科の動物・オオツノジカの角の一部の化石が24日まで、安曇野市豊科郷土博物館で展示されている。昭和31年に旧明科町大足地区で発掘され、現在の松本市にある四賀化石館で長年保管されていて、安曇野での「里帰り」展示は初めてという。化石からは当時の安曇野地域の気候や地形を推測できる。

 オオツノジカは、肩の高さが1・8㍍、体長が2・6㍍、角の左右の幅が3・5㍍にもなったとされる巨大なシカで、角が邪魔になるため木の多い山中では暮らせなかった。このことから当時の明科地域は、木の少ない草原や高原のような場所だったと推測できるという。
 『明科町史』によると角の化石は、他にあばら骨や頭の骨の一部、チョウセンマツやコメツガといった針葉樹の木片とともに、土壌改良のための土取り作業をしていた水田で見つかった。角の根元の部分に当たる長さ約50㌢のかけらだ。
 出土した木片の樹種がいずれも現在の北アルプスの標高1500~2000㍍の地帯でしか見られないことから、当時の気温は年平均で現在よりも8度ほども低く、かなり寒かったことも分かる。1万5000年前は最後の氷期の末期に当たる。
 原明芳館長は「小さな化石一つから、1万5千年前の安曇野のあらゆることが分かる」とし「頭部やあばら骨が見つかっている以上、いつか全身が発掘されるかもしれない。この機会にぜひ見に来てほしい」と呼び掛けている。
 開館時間は午前9時~午後5時で。入館料100円(中学生以下と安曇野市在住の70歳以上は無料)。問い合わせは豊科郷土博物館(電話0263・72・5672)へ。

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