政治・経済

水稲直まき10年 有明営農組合の研究進む

 安曇野市穂高有明の農家76戸でつくる有明営農組合(金森伊継組合長)は、田んぼに直接種もみをまく「水稲直まき栽培」に取り組んでいる。育苗から田植えにかかるコストや労力が低減できると注目を集める栽培法で、10年ほど前に始め、昨年は13㌶で作付ける県内有数の生産地となった。収量や品質も年々向上しており、さらなる規模拡大を目指して研究を進めている。

 令和元年の県内全体の水稲直まき面積は約200㌶で、このうち3分の1に当たる約70㌶を安曇野市内が占める。組合は市内で最も規模の大きな実施地の一つだ。農林水産省の指導の下で技術の確立や普及を図る「水稲直播研究会」の助言も受け、雑草や鳥害などの課題に向き合う。
 少子高齢化の進行で農業の担い手不足が進む中、県は直まき栽培を推進しているが、県内の栽培面積は平成28年以降ほぼ横ばいで増えていない。大きな要因は雑草イネと呼ばれる「赤米」の発生で、米の等級が下がることからなかなか増えないという。組合も同じ悩みを抱えていたが、研究会の助言で、農薬にも肥料にもなる「石灰窒素」や除草剤をまく時期を調整するなどの対策を進め、等級の高い米を収穫できるようになってきた。
 組合の理事・畠山倉光さん(73)は「粒が大きく食味も良いと評判は上々。これからも積極的に進めたい」と手応えを語る。同じく理事の会田一生さん(70)も「組合の水稲作付面積約60㌶のうち半分くらいまで増やせれば」と構想する。
 直まき栽培は、田植えをした田んぼよりも生育が遅いことから、稲刈りをはじめ作業の時期がずれ、農家の負担を分散できるとして、JAあづみも推奨している。
 組合はこのほど研究会の平岩進会長らを招いて本年度の反省会を開き、改善点を確認し合った。畠山さんは「農家の高齢化が進む中、有効な栽培方法。多くの人に関心を持ってもらい、広めていければ」と話している。

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