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上松の「芦島かぶ」育てよう 試食会で生産者に励み

 上松町地域おこし協力隊特産部は12日、町の希少な伝統野菜「芦島かぶ」を生産している農家2軒の栽培意欲につなげたいと、町施設・よろまいかで試食会を開いた。南木曽町田立の高級宿泊施設・Zenagi(ゼナギ)の協力を得て、農家の古澤はつゑさん(87)と、原とめさん(81)が芦島かぶを使ったメニューを試食した。2人は手塩にかけて育てた赤カブがおいしい料理になったことを喜び、励みにしていた。

 ゼナギの福岡栄二料理長が夕食のコースメニューとしても提供している、カブを丸ごと使った茶わん蒸しを手掛けた。原さんと古澤さんは感慨深げに料理を眺め、一口一口大事に味わっていた。古澤さんは「これまでちょっと苦労したけれど、種をとってきたかいがあった。やっと(芦島かぶが)日の目を見た」と喜び、原さんは「体が動く限り作りたいね」とほほ笑んだ。
 町では伝統野菜として、芦島かぶ・吉野かぶの2種が作られているが、特に芦島かぶは数十㌔程度しか生産できないため市場には出回っていない。昔は地区全員が栽培して漬物を作って販売するなど身近な作物だったが、20年ほど前から栽培農家が減っていった。
 町地域おこし協力隊特産部の山田百合香さんは「品種の保存のためには、生産者のモチベーションを上げる販路の開拓が必要だ」と模索をしていて、縁のあったゼナギに話を持ちかけた。
 ゼナギ側も宿泊客に提供する料理に地元の伝統野菜を使いたいと探しており、昨年末から提供を始めたメニューは外国人客に好評だ。福岡料理長は「芦島かぶは素材の味が濃く、ポテンシャルが高い」と話し、「生産者と一緒に種まきや収穫ができる体験プログラムも考えていけたら」と展望を語っていた。

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