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貧乏神送り 息災願う 松本各地でコトヨウカ

 農作業の始まりを前に疫病神や貧乏神を追い払う「コトヨウカ」の伝統行事が8日、松本市入山辺などの各地で行われた。住民たちは昔ながらの素朴な風習を通じ、今年一年の無病息災を願った。

 厩所集落では「貧乏神送り」と呼ばれるわら馬行事が行われた。地域住民約20人が集落の公民館で体長約2メートルある「ジジ」「ババ」と呼ばれる2体のわら人形が乗ったわら馬をこしらえ、馬の回りで数珠を回して「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えた。その後「貧乏神追い出せ」と唱えながら集落外れを流れる薄川まで運んで再び数珠を回した後に焼いた。
 厩所常会部長の朝倉康直さん(63)は「貧乏神送りのために出身者や家族が集まる大事な行事。続けていくのは大変だが幸せと健康を願いながら続けたい」と話していた。
 市内の主なコトヨウカ行事は「松本のコトヨウカ行事」として国選択無形民俗文化財として登録されている。9日は今井地区の今井下新田で、11日は鎌田地区の両島で、巨大な足半を手作りして集落外れなどに掛け疫病神を追い払うコトヨウカ行事が行われる。