連載・特集

2020.2.8みすず野

 いつの日か遠洋航海の船旅がしたい。中学生の時に北杜夫さんの『どくとるマンボウ航海記』を読んで以来、抱き続けている夢だ。船酔いをするたちなのだが、そんなことは夢が実現しそうになってから心配すればいい◆夢をかなえた喜びに浸っていたであろうクルーズ船の乗客たちの心痛はいかばかりか。新型肺炎の集団感染確認で2週間の待機はつらい。ホテルや施設の自室内で無為の時を過ごす中国からの帰国者も。たっぷりと本が読める至福のひとときは、散歩したり入浴したりといった自由が確保されていればこそ◆マスクが職場近くのコンビニから消え、ドラッグストアには「お一人様1個」の貼り紙。松本城公園に足を踏み入れると、何だか人混みが怖いような、マスクを着けていないのが後ろめたいような。入り口に置かれた普段使わない消毒液を両手にすり込み、足早に通り抜けた◆まずはインフルエンザや風邪の予防と同様に、手洗いとうがいの徹底など各自できることを続けたい。帰国者を受け入れた千葉県勝浦市ではホテル従業員の子供がいじめに遭い、風評被害も懸念されているという。冷静な対応が求められる。