連載・特集

2020.2.24 みすず野

 「ワニの口」と言うと、わが国財政の折れ線グラフを思い浮かべる。一般会計の歳出総額が、年々右肩上がりで増えているのに対し、税収は伸び悩んだり、落ち込んだりして、その差がワニの口のように広がってしまっているというもの◆税収を伸ばすべく、消費税が平成元(1989)年に導入され、現在10%まで引き上げられたが、皮肉なことに消費増税導入後から、ワニの口は広がり出す。つまり、消費税は財政再建には、全く役立って来なかった。景気を腰折れさせたり、増税分を全体の歳出増に回したりしたからだ◆もう一つのワニの口がある。国の社会保障給付費の総額と、社会保険料収入の総額。社会保障給付費は、言わずと知れた年金、医療、介護などで、高齢化に比例して急増している。対して保険料収入は所得が伸び悩むなか、見込みほど増えず、開いたワニの口の部分は、税金と借金で埋めている。この借金は将来世代へのツケ◆社会保障制度の持続には、保険料もしくは税のアップか、給付減しかない。だが、現役世代の低所得化が進むなか、保険料、税には自ずと限界があり、給付を抑えるほかないのが実情だ。

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