連載・特集

2020.2.22みすず野

 あんこを小麦粉の皮で包むのが関東風とか。安曇野から後立山の連なりが白馬三山の先までくっきりと望めた昨日、「さくら餅」ののぼり旗に誘われて製菓店ののれんをくぐった。道明寺と五つずつ買い求め、職場で春をお裾分け◆春と聞くと、聞いたり見たり先生のいたずらっぽい笑顔が目に浮かぶ。「君は郷里が博多だったね。白魚の躍り食いを知ってるだろ」と近づいて来て「あれはシロウオ。女性の指をきれいだと褒めるときに例えるのはシラウオ」と幾度も聞かされた。たぶん両方とも食べたことがない◆ホタルイカが海のない地の食卓にも春を告げ、鮮魚コーナーにゆでたパック詰めが並ぶ。出始めの頃よりもしばらくたってからのほうが身も詰まっていておいしい。「鰆」と書くサワラが折り込み冊子のレシピにお目見えし、紙面の情報欄には「糸魚川でメバル20センチ級を釣る人がいた」◆渓流釣りが犀川などで先週始まり、奈良井川や木曽川でも3月1日に解禁される。今年は雪が少なくて川に入りやすいうえ魚の活性も高めといい、腕をさすっておられる太公望も多かろう。開高健と井伏鱒二の毛鉤談議をうらやましく読む。

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