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筑北の山本清さん 日記に思い紡いで60年

山本さんが60年間欠かさず書いてきた日記

 筑北村東条の山本清(きよ)さん(84)は、結婚した24歳の時から毎日欠かさず日記を付け、今年で60年になった。嫁ぎ先の新しい家族の中での日常や思い出、家事、子育て、精を出してきた農業の様子などが書かれ、村に暮らす1人の女性の人生がつぶさにつづられた記録になっている。

 年に1冊、日記帳を購入し、毎晩寝る前に日記を書くのが日課だ。1日の出来事や、天気、印象に残ったことなどを書き留め、関心のある新聞記事や写真を添えることもある。大好きだという農業や花作りの作業の内容も書き、翌年の農作業の目安にもしている。
 山本さんは麻績村の宮本区出身で、10人きょうだいの末っ子として生まれ育った。昭和36年1月に恒夫さん(85)と結婚し、東条で暮らし始めた。幼い頃から手紙などを書くことが好きだったといい、嫁入りの際に兄が贈ってくれた文庫サイズの日記帳とペンで60年前の1月から日記を付け始めた。
 2人の息子の子育てや、家族の介護、縫製工場での仕事などに追われていた時期も日記は欠かさず、1日数行でも記録を残してきた。長男が生まれた昭和36年11月7日の日記には、「かるいお産とは口では言うものの、忘れられない痛みである。今日はとにかく家中にとっておめでたい。今日から私達は母さんであり、父さんになった」と当時の気持ちが書かれている。
 長年の日記は、当時を懐かしむだけでなく、日々を生きてきた証しとして今の自分を励ましたり、生活の知恵を教えてくれたりする存在にもなっているという。山本さんは「宝物でもあり、貴重な財産。健康でいる限り続けていきたい」と話している。

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