連載・特集

2020.1.26みすず野

 歴史に「もし」は無いけれど、太閤秀吉亡き後、もしも前田利家が徳川家康と同じくらい壮健だったら、果たして家康の天下は成っただろうか。病床でも豊臣家の行く末を案じていた。司馬遼太郎が『関ケ原』で利家の律儀さを描く◆金沢は加賀藩百万石の城下町。兼六園の琴柱に似た灯籠を背に写真に納まったり、にぎやかな香林坊かいわいをそぞろ歩いたり。〈ふるさとは遠きにありて思ふもの〉の室生犀星や『高野聖』の泉鏡花を生んだ。5年前の北陸新幹線開業で松本から2時間半で行けるようになった◆圧倒的な石高と家格を背景に育まれた伝統文化は、加賀友禅や金沢箔と聞けば華やかで優雅な印象だ。和菓子どころでも知られる。京都や城下町に老舗が多いのは茶の湯の影響だが、金沢の場合、真宗王国と呼ばれる信仰心の厚さも庶民への浸透を促したという(金沢市ホームページ)◆井上百貨店で29日まで金沢の物産展が開かれている。日本海で取れた海の幸のおいしさは言わずもがな。記事に第1回とある。すっかりおなじみになった北海道や京都、九州...松本に居ながら行った気分が楽しめる。"旅先"が一つ加わった。

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