連載・特集

2020.1.25みすず野

 福井県立図書館のウェブサイトにある「覚え違いタイトル集」が面白い、と同僚に教わった。探している本の題名や著者名がうろ覚えか分からない人と、司書とのいわば"珍問答集"だ◆「村上春樹のとんでもなくクリスタル」は、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』と田中康夫の『なんとなく、クリスタル』を混同したうえ、春樹と龍を取り違えている。同様に「ハーメルンの音楽隊」も笛吹き男とブレーメンが交錯していて、「池波遼太郎」は司馬か正太郎か。検索しても出てこないわけだ◆笑ってばかりいられない。記事を書く際には、思い込みやうろ覚えが間違いのもとだと肝に銘じる。司書のプロ根性にも感心させられた。「男の子の名前で、なんとかのカバン」という問いから『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』にたどり着いたのだから◆先日、松本市内の書店に小説の梗概と紹介を求めたところ、突然の電話だったにもかかわらず温かな文章がすぐファクスで届いた。やっぱりその道のプロは違うな。おしまいに覚え違い集からもう一つ。「ウサギの出来損ないが2匹でてくる絵本」―ぐりとぐらは野ねずみである。

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