連載・特集

2020.1.22みすず野

 なぜ引きこもりが増えているのか。かつては若者特有の現象とみられていたものが、なぜいまは中高年のほうが多く、「8050問題」と言われ、深刻な事態に陥っているのか。その要因分析は専門家に任せるとして◆われわれは知らず知らず、引きこもる人たちを生み出す社会をつくり、放置してきてしまったようである。親の年金頼りの生活を、長年してきた引きこもりの人が、親の死後、衰弱死したり、親の死を届け出ずに罪に問われたりするなか、マスコミが報じ、問題を掘り下げ、支援策を呼びかけるまでになった◆これまでは、引きこもり者を無理にでも外に連れ出し、とにかく職に就かせる、という就労支援に偏っていた。だが、いい成果は上がらず、再び引きこもってしまう現状もわかってきた。また、親は引きこもりの子がいるのを隠し、家庭内ではその子を責めてしまうことも◆当人や親が意を決して行政窓口に相談に行ったとして、年齢等で線引きされ、支援の仕組みがなく、孤立を深めている現実もあるようだ。引きこもりは誰でも、どこの家でも起こり得るととらえ、就労支援以前の、生きる支援が求められる。