連載・特集

2020.1.18みすず野

 25年か。1・17の形に並べられたろうそくの明かりが映るテレビ中継を見ながら、この原稿を書いている。駆け出しだった記者はあの朝、松本駅西口改札の前で「聞いたり見たり」の古川壽一さんを待っていた◆「大きな地震だったみたいですね」「えらいことだ」と短い会話の後が続かない。坂北村の講演会場へ向かう車中の2人は押し黙ったまま。朝のニュースで見た映像が頭の中を駆け巡る。横倒しになった高架の高速道、崩れて先がない道路の端ぎりぎりで止まったバス、街のあちらこちらで上がる火の手...◆四半世紀の節目に新聞各紙の報道も厚い。その中で防災の研究者が、これからは「縮災」の思想が要る(日本経済新聞)と述べていた。発災直後だけでなく復旧・復興も視野に入れ、社会機能の損失をどう最小に抑えるか。一人一人が事前にできることを意識し、必ず今後起きる災害に備えなければならない◆新聞やテレビには被災された方や遺族、ボランティアに携わった人しか出ないけれど、当事者以外もあの日の出来事を語り継ぐ。知る人から知らない世代へ。家族や恋人、友達など身近な人と語り合う週末にしたい。