連載・特集

2020.1.10みすず野

 松本の街に「あめ市」ののぼり旗がはためいている。そうだ、商都松本の初春を彩る一大イベントあめ市が明日、あさって開かれ、あさって日曜は一帯が歩行者天国となる◆明治5(1872)年創刊の松本で最初の新聞「信飛新聞」が、同8年の「初市」の様子を報じている。南深志町の商店は市神を祭り、大小ののぼり旗を連ねて売り出し、丁稚は娘たちに勧め、番頭たちの声は騒々しく、田舎の新郎新婦は指折り数えてこの日を待つほどで、その繁華は新年第一であると。約150年前の話だ◆松本のあめ市は、おおよそ400年前の「塩市」が始まりという。江戸時代前半には「あめ市」となり、幕末から明治以降は「初市」と呼ばれ、昭和に入って再び「あめ市」に戻った。昭和40~50年代にはさびれてしまうが、61年に上杉、武田方に分かれての綱引き「塩取り合戦」などが始まり、いまに至る◆イオンモール松本に代表される大型店の、都会的な空間の高揚感はそれとして、市街地の商店街のにぎわい、加えて新春の華やかさというのは、とてもいいものである。松本らしいあめ市が末永く続くことを願わずにはいられない。

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