政治・経済

知新堂1月に閉店 卸売にシフト

 松本市中心市街地の本町通りにある陶磁器など販売の知新堂(松本市中央2)は、同所の小売店舗を来年1月下旬をめどに閉める。江戸時代の弘化2(1845)年に袋物店として創業して以来170年余、戦時中を除いて店舗販売を続けてきたが、ライフスタイルの変化による来店客の減少もあり、小売店としては幕を閉じる。今後は、現在も行っている飲食店や宿泊施設への卸売を中心にした業態にシフトする。

 店舗では茶道具なども幅広く取り扱い、日常使い品や贈答品を買い求める人のほか、観光客が多く立ち寄る。最近は閉店することを知って来店するなじみ客が増えている。
 5代目となる横沢敏社長(56)によると、陶磁器をはじめとする食器の国内生産と販売量は、外食の増加や100円均一といった廉価な器の浸透などの影響で30年ほど前から減少傾向が続いている。約300平方㍍という中心街の個店では比較的広い店舗を、スタッフを雇用して維持する難しさは数年前から感じていたといい、来年創業から175年を迎えるのを前に閉店を決断した。
 中町で創業し、その後現地に移った。袋物のほかに紙類も扱い、裏手には移転前の旧開智学校があり、明治期には学校や官公庁の印刷や出版を担った。知新社の名で長野県初の日刊新聞「信飛新聞」も発行した。陶磁器や茶道具の販売は戦後に開始した。
 28日から最終売り尽くしセールを行い、品がなくなり次第閉店となる。卸売のほか、茶道具のカタログ販売などは今後も継続する。横沢社長は「寂しさを感じるが、余力のある間に業態変更したかった。これまでのご愛顧に感謝したい」と話している。
 年内は30日まで。問い合わせは知新堂(電話0263・32・0407)へ。

連載・特集

もっと見る