地域の話題

生け花で駅舎彩り20年 穂高の齊藤文美さん

 安曇野市穂高有明の生け花講師、齊藤文美さん(83)は、JR穂高駅に生け花を飾るボランティアを20年近く続けている。四季折々の花や木の枝を使い、数日おきに生け替える風情豊かな作品は、駅舎の改装や業務の縮小など周囲の環境が変わっても、ずっと変わらずに駅利用者を和ませ続けている。

 待合室の入り口脇に飾り台がある。このほど花を替えにきた齊藤さんはクリスマスをイメージし、サンゴミズキの赤い枝を「主役」に、ピンク色が混じったドラセナの葉、ナンテン、キクなどを織り交ぜてモダンな雰囲気に生けた。隣のベンチに座っていた穂高有明の年配の女性は作品に感じ入った様子で「いつも作品を見ている。ほっと和みますね」と笑顔で話した。
 池坊で「美峰」の雅号を持つ齊藤さんが活動を始めたのは平成13年。もともとは知人がしていたボランティア活動だった。齊藤さんも過去に住んでいた首都圏内の駅や勤め先に花を飾っていた経験があり、生け花教室で余った花材の使い道を思案していたことから、引き継ぎを希望する知人の依頼を「渡りに船」と快諾した。
 以来、夏は1日おき、冬は1週間おきにその場で生け替える。「季節を感じてもらうのが一番」とヒマワリやチューリップなど季節の草花のほか、自宅の庭木もよく使う。最近は葉の色づき具合が異なるブルーベリーの枝を使い分け、晩秋のイメージの生け花を飾った。季節感のある作品は好評で、過去に3度、JR東日本から感謝状を受けた。
 穂高駅は平成21年に駅舎を改装、29年には「みどりの窓口」が廃止されて駅長もいなくなったが、花はずっと飾られ続けている。齊藤さんは活動は全く苦にならず、むしろ生きがいだという。「駅を使う人たちに喜んでもらえるのが本当にうれしい。それが私にとって『心のオアシス』のようなもの」とほほ笑む。

連載・特集

もっと見る