連載・特集

2019.12.6みすず野

 毎年12月発表される「ユーキャン新語・流行語大賞」の言葉をさかのぼると、なるほどその年の流行や出来事を象徴している。始まったのは昭和59(1984)年、年間大賞が設けられたのは平成3(1991)年だという◆これまで年間大賞には「がんばろうKOBE」「ハマの大魔神」「IT革命」「チョー気持ちいい」「小泉劇場」「アラフォー」「今でしょ」「爆買い」「忖度」「そだねー」などが選ばれ、ことしは「ONE TEAM(ワンチーム)」である。史上初のW杯8強入りを果たした、ラグビー日本代表のスローガンだ◆半世紀前の昭和44(1969)年はというと、もちろん流行語大賞はなかったが、学生運動の東大安田講堂の封鎖解除、米国宇宙船アポロ11号の月面着陸成功などがあり、日本のGNP(国民総生産)は米国に次いで西側諸国で2位となって、「経済大国」「モーレツ時代」に突入していった。公害問題も深刻化した◆光と影がくっきり描き出されていた時代から、いま不透明感が増した。「ONE TEAM」になりにくいゆえ、そうありたい願いがこの一語に込められている、と言えなくもない。

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