連載・特集

2019.12.4みすず野

 人権はよく耳にする言葉。人間が人間らしく生きてゆくため、認められている権利、人間が生存と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利、ということだ。この人権を尊重する社会になってきたとはいえ、問題はそこかしこに◆子どもの人権一つ取っても、貧困、虐待、いじめなど、時にとんでもない事件として噴出し、目や耳を覆いたくなる。人権擁護委員協議会松本部会長を長年務めた方から、苦しんでいる子どもは必ず、どこかでSOSを発している、親の虐待に気づいたケースもある、と伺った。関係者や周りが敏感でなければと思う◆かつてハンセン病は伝染する、遺伝すると恐れられ、患者は隔離収容された療養所から終生出られなかった。松本清張の代表作『砂の器』は、若い音楽家が戸籍をねつ造した自分の過去と、父親がハンセン病患者だったことを、絶対に知られたくないゆえ、むごい殺人を犯す◆いまではハンセン病の治療、理解が進んで、患者や家族が差別され、人権が著しく侵されることはなくなったが、その昔は激しかった。人権週間が始まる。差別、偏見、人権に考えをめぐらせてみる機会が訪れた。

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