連載・特集

2019.12.13みすず野

 「感謝してもしきれない」。サッカー松本山雅FCの反町康治監督の退任会見の弁である。神田文之社長も監督に「感謝してもしきれない」と述べた。サポーターからも「感謝してもしきれない」の声しきり◆平成23(2011)年師走、J2に昇格した松本山雅だったが、翌春からの戦いを前に監督が決まらずにいた。数人に断られ、一縷の望みを託して北京五輪代表監督も務めた反町さんに声をかけると、何と承諾してくれた。「よし!と思った」と、当時社長の大月弘士さんにこのころの苦労話を伺ったことがある◆「プロフェショナルへの変革」。反町さんの就任が山雅飛躍の軌跡を描いて、夢のJ1昇格を果たすまでに。だが、再度のJ1参戦だった今季、その厚い壁にまたも跳ね返された。反町さんにとって長いシーズンだったろう。苦しかったと思う。退任は自らけじめをつけたということだ。「悔いはない」。戦い切った男の晴れやかな顔が印象的だった◆新監督に布啓一郎さんの就任が発表され、飯田、高崎といったベテラン選手もチームを去る。8年間の"反町サッカー"の基盤の上に、松本山雅新ステージが始まった。