連載・特集

2019.12.1みすず野

 鳥取県の米子と境港を結ぶJR境線の全駅には妖怪の名の愛称が付いている。ねずみ男駅、砂かけばばあ駅、こなきじじい駅...ご存じ境港市育ちの漫画家で4年前に亡くなった水木しげるさんの「ゲゲゲの鬼太郎」にちなむ。昨日はゲゲゲ忌だった◆米子駅から数えて7番目の和田浜駅に付けられた「つちころび」は中部・中国地方の山間部に現れ、旅人を迷わせる妖怪という。境港市観光協会のホームページに「マリモのような毛むくじゃらの体」とある。ジブリ映画が描く「まっくろくろすけ」ことススワタリの仲間だろうか◆職場の書棚にもある『三郷村誌』は民間伝承も細かく拾っていて、ありがたい。丸くて真っ黒で目玉と口しかない「地ころがし」が紹介されていた。暗い草むらで人を待ち受け、通り掛かるとごろごろ転がってきて、かかとにかみつく。闇を恐れた昔は妖怪の存在が近しかった。現代ではSNSの闇が妖怪よりも怖い◆わが家の玄関に水木作品の複製版画1点を飾った。6年ほど前に画廊で見て、どうしても欲しくて月賦で買った。一反木綿に乗った鬼太郎の周りにおなじみの仲間たち。塗り壁やねこ娘もいる。

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