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松本・三才山の住民が地元文化財の価値発信 書家・秋山白巌の直筆発見

 松本市三才山地区の住民有志が29日、地域に眠っている文化財の価値を見直す「現物確認会」を三才山公民館などで開いた。地元の御射神社秋宮の拝殿から、近代日本書道界の発展に寄与し、後半生を松本市で過ごした書家・秋山白巌(1865~1954)直筆ののぼり旗一対が見つかったのをきっかけに、地元の文化財を地域活性化につなげようという機運が高まった。文化財6点が公開され、住民や有識者がその価値を確認した。

 現物確認会では、秋山白巌ののぼり旗と、拝殿に飾られている和歌の奉納額、例大祭に合わせて一ノ瀬地区で掲げる明治期の偉人・窪田畔夫の直筆ののぼり旗、一ノ瀬公民館で眠っていた松本市初代市長・小里頼永の直筆とみられるのぼり旗など計6点が公開された。松本市教育委員会文化財課の職員や地元の有識者ら約10人が出席し、並べられた品を写真に撮りながらじっくりと眺めていた。
 白巌直筆ののぼり旗は縦約10メートル、横約1・8メートルで、楷書で「國威輝萬世」「神徳赫千秋」と書かれている。下部には制作時期の「大正五年」と作者名の「白巖源隆道」といった字もある。白巌のひ孫で書家の秋山白鳳さん(70)は「本物に間違いない。紙の書はたくさん残っているが、こんな大きなのぼり旗の書は珍しい」と感嘆していた。
 現物確認会で公開した品は、資料や文献が少なく詳細が分からないものが多いという。三才山に伝わる小日向神楽の保存会代表で、松本市地域づくりヤングマイスターとして会を主催した柳澤和也さん(31)は「文化財の保護活動につなげ、地区内外に情報を発信していければ」と力を込めていた。

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