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南木曽の「鉄道遺産」に光 廃線敷を掘り起こす構想も

 近代日本の面影を伝える古い鉄道施設を町の活性化に生かそうと、南木曽町の住民有志が「鉄道遺産を愛する会」の結成準備を進めている。鉄道跨線橋「久保洞水路橋」(吾妻)や、木曽谷を走った蒸気機関車の車体など町内の遺産を組み合わせ、観光スポットや子供の遊び場となる「アミューズメント」にしようと意気込む。全国の鉄道ファンに協力を呼び掛け、地中から廃線敷を実際に「掘り起こす」イベントも構想している。

 昨年の町教育委員会の調査で、久保洞水路橋が非常に貴重な現存石造アーチ橋と分かったのが契機となった。久保洞水路橋の下を通っていた線路の延長線上には、廃線敷を利用したSL公園(読書)があり、木曽谷を走った蒸気機関車も展示されている。久保洞水路橋とSL公園を中心に、環境を整える計画だ。
 木々や雑草を取り除く作業のほか、古い写真や資料の収集に取り組む。写真展や座談会を開いて関心を高めた上で、廃線敷の掘り起こしイベントにつなげたい考えだ。SL公園と久保洞水路橋の間には約50㍍にわたって地中にレールが眠っているとみられ、多くの人の手を借りて土を取り除き、往時の姿を復活させようと夢見る。
 鉄道遺産を愛する会には既に町内外の15人が協力を買って出ていて、12月6日に町内で結成会議を開く予定だ。発起人代表の岡本智治さん(63)=読書=は「調べると町内には鉄道遺産が他にもあり、組み合わされば面白い」と魅力を語る。「SL公園と久保洞水路橋の間にレールが復活したら、足こぎ式の遊具で移動したり、荷台を綱引きしたりと子供が遊べるようにしたい」と目を輝かす。SL公園の車体保全などに長年ボランティアで尽くしてきた志水勝美さん(79)=吾妻=は「うれしいね」と笑顔を見せ、新たな動きを喜んでいる。

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