政治・経済

安曇野市で防災マップへの関心高まる

 東北信で甚大な被害をもたらした台風19号を受け、防災マップ(ハザードマップ)への関心が安曇野市で高まっている。災害の後、市庁舎に防災マップを取りにくる市民が相次ぎ、これまでに約200冊が配られた。千曲川の氾濫を「対岸の火事」とせず、地元の浸水想定区域を確認しておきたいという意識の表れとみられる。市内では三川合流部やその下流部での氾濫が予想され、早めの避難をどう促すかが課題だ。

 市危機管理課には台風19号通過後、防災マップに関する問い合わせなどが1日に5~10件あった。窓口にマップを取りに来る人が相次ぎ、多い日で20冊以上なくなった。市議会議員の関心も高く、26日開会の市議会12月定例会では災害対応に質問が集まる見通しだ。
 防災マップの浸水想定区域図を見ると、犀川、高瀬川、穂高川の合流部周辺一帯は浸水を示す青や紫色で染まっている。大王わさび農場は高さ5㍍以上、穂高クリーンセンターや下押野工場団地は2~5㍍まで浸水する。
 マップにない最新の浸水想定区域図によると、5㍍以上の浸水域が国道19号の付近まで広がり、犀川の川幅が狭くなる明科の木戸橋付近の堤防沿いは10㍍以上に達するという。市は来年度、防災マップを最新版に改訂する。
 北アルプスに大雨が降った場合、高瀬川や梓川の上流部にあるダムが貯水し洪水調節機能を果たす。それでも想定を超える雨量で緊急放流される可能性は否定できない。三川合流部では水が集中して支流が氾濫する「バックウオーター現象」が起きる恐れもある。
 こうした中、市は各区に「自主避難計画」の作成を呼びかけている。被災経験から危険箇所、安全な建物などを住民が話し合い、水害時はどこにどう避難すべきかルールを定めたもので、全83区中9区が作成している。
 洪水の場合、安全な指定避難場所までたどり着けず、上階に逃げる垂直避難を余儀なくされる恐れもある。市危機管理課は自宅周辺の状況確認と併せ「親戚や友人の家に避難してもいい。そうした人間関係を普段から築いておくことも大事」としている。

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