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塩尻でカラオケハウスの年配客ら自慢の歌声CD化

店内のステージに立ち一人ずつ熱唱する常連客ら。CDジャケット用の撮影も兼ねている

 大切な歌声を思い出の一枚に─。
 60~90代を主な客層とする塩尻市大門一番町のカラオケハウスぶどうが今月、常連客らの歌声を録音し、一人に1枚CDを作る試みを進めている。店の常連で今夏96歳で亡くなった北小野の横沢なつ子さんが店内で生前録音した歌声が貴重な記録となったことから、開店5周年の節目に企画した。「人生の苦楽を知る皆さんの声を形に残して贈りたい」と店主の武居美和さん(55)は話している。

 8月以降希望者を募り、申し込みのあった常連客ら82人が対象。一人3曲ずつ日をずらしながら録音し、82人分のCDを作る。
 12、23、27日は店で出会った人同士が歌を通じて節目を祝い、CDジャケット用の写真を撮影する集いも開いている。初日は約30人が集まり、自前の衣装姿で熱唱しながら撮影に臨んだ。毎月2回、店内で健康カラオケの会を開いている塩尻町の百瀬一雄さん(71)は「皆で歌を楽しむ時間が元気の源。その歌声が記念CDになるのは本当にうれしい」と喜んでいた。
 福島県出身の武居さんが「全く知らない土地で」店を開いたのは平成26年12月。不安は尽きなかったが温かな客に恵まれ、さながら中高年のサロンのようになった。病、老い、死別などと向き合いながらも来店客は歌を通じて活力を得て帰る。その姿が武居さんの活力にもつながり「多くの支えを本当にありがたく思う。常連だった横沢さんの歌声が葬儀で流れて心打たれたこともあり、皆さんにもお返しに歌声を贈ろうと思った」。
 制作には横沢さんの長男・憲一さん(75)ら多くの客も協力する。関係者は「世界に一つだけのCDがどう仕上がるか楽しみ」と声をそろえていた。

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