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松本の保育園 焼き芋会中止・縮小も 園庭の芝生化、煙に苦情

 松本市内の保育園で、秋の風物詩となる焼き芋会のシーズンを迎えている。大きなたき火を囲み、苗から育てた芋を焼いて味わう食育を兼ねた行事で子供たちも楽しみにしている。しかし近年、大量の煙が近所迷惑になったり、必要な材料が確保できなかったりと困難な状況もあり、行事をなくしたり縮小したりといった動きも見られる。

 市保育課によると、園庭の芝生化に伴いたき火のできるスペースがなくなった園や、落ち葉や薪の調達に苦労する園があるほか、「洗濯物に煙のにおいがついた」と苦情が寄せられたこともある。東京電力福島第一原子力発電所の事故後に放射能が残りやすい落ち葉を使うことに抵抗感のある保護者の声を受けて取りやめたままの園もあるという。
 今年は市立保育園全42園のうち、約10園が焼き芋会を年間計画に入れていない。ただ、焼き芋をやめても「さつま汁会」に改める、おやつにスイートポテトを食べる、など形を変えて収穫祝いをするケースが多い。
 子供にとっては火を見ることも日常では少なくなり、たき火での焼き芋も経験できる場は限られる。焼き芋会は、畑の世話だけでなく落ち葉集めや芋を洗ってアルミホイルで包むといった準備にも子供が関われることから「過程を含め得られるものが多い行事」(市保育課)とされる。
 実施する園は、前もって近隣に焼き芋会の日時を周知し、消防署へ届け出た上で水の入ったバケツや水道につないだホースを用意するなどこまやかな気遣いをしながら続けている。周囲に新たな宅地が造成された園では、昨年の半分程度の規模に縮小して煙を抑える工夫をしつつ「風物詩として子供たちに体験させたい」と願う。
 寿保育園は6日に行い、火が落ち着いたところへ子供たちが芋を投げ入れ「おいしくなーれ」とうれしそうに唱えていた。市公立保育園幼稚園園長会会長を務める上條ひで子園長は「収穫の喜びを味わう意味でも大事にしたい行事。昔に比べれば難しくなっているが、できる環境があれば続けたい」と話していた。