連載・特集

2019.11.20みすず野

 70歳まで働き続ける、勤め続ける社会は、豊かな社会とは言えないだろう。というのは、高齢者の働く意欲の高まりは、働かないと生活できない、働かざるを得ないからで、趣味や生きがいで働く人は少数派だからだ◆これからの超高齢社会は、さらにそうなる。65歳定年、70歳まで再雇用が企業に義務づけられるに相違ない。ただ、その先の人生を考えたとき、健康体でいられる保証はなく、平均健康寿命までの年数は限られる。むしろ、過労がたたって短くなるかもしれない。そこで最も考えなくてはいけないのは、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)◆昭和の高度経済成長期のモーレツ社員は、家庭やライフを犠牲にして企業に忠誠を尽くし、企業もそれに報いた。だが、いまは短い時間で最大限の労力を発揮し、生産性を高めることが求められ、私たちはその方向に法律、体制、意識とも変えてゆく必要がある◆そうしたほうが、健やかに長く働き続けられる。ワーク・ライフ・バランスによって、空いた時間、家族と過ごしたり、自然と親しんだり、地域に目を向けたりできる。働くだけで終わらない人生である。

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