連載・特集

2019.11.14みすず野

 10%への消費増税から、1カ月半ほどたった。ほとんど話題にならないのは、この間に台風19号による千曲川堤防決壊など大災害が起き、復興支援に目が向いていることが大きい。加えて、那覇市の首里城火災が起きて、国宝や文化財を火災からどう守るか、といった課題も浮上した◆とはいえ、庶民の生活レベルでは、2%でも消費税が上がったことによる買い控え意識はある。今後詳細な調査結果が明らかになるだろうが、消費は停滞しているかもしれない。軽減税率の適用で、食料品が8%に据え置かれたのはよかった一方、10%になった酒類はどうか。酒飲みには関係ないとの説も聞くが◆5年前の5%から8%への増税時は、個人消費が大きく落ち込んで、景気全体が低迷した。今回景気が冷え込むようだと、先が思いやられる。というのは、少子高齢化が著しく進むため、財源不足を埋める税や保険料のアップは、避けて通れないからだ。かつて「老後不安」は中高年の問題だった◆いまや若い者ほど、それは大きく、深刻と言える。可処分所得が増えなければ、増税に耐えられないし、貯蓄などできようはずがないからである。

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