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台風19号 松本市の対応 情報伝達に課題 水位上昇 県との連携密に

 東日本各地に甚大な被害をもたらした台風19号は、松本市にも避難所開設などの緊急対応を迫った。数十年に一度の豪雨の恐れがある「大雨特別警報」が12日夜~翌未明に出された初めての事態にあって、市は「避難準備・高齢者等避難開始」の情報を発令して、市民に命を守るための行動を促し、ほぼ適切に対応できたとする。ただ、市民に情報を伝える防災無線の屋外放送が雨音で聞きづらかったり、水位が上昇していた女鳥羽川を管理する県とうまく連携できなかったりと、課題も見えた。

 市は、市街地を流れる女鳥羽川の水位が避難判断水位を超えたことを受け、12日午後5時半に流域4地区(第一、中央、田川、東部)と、大雨が続いていた山あいの四賀地区に警戒レベル3の「避難準備・高齢者等避難開始」を発令し、指定避難所を8カ所開設した。町会などが開設した自主避難所9カ所も含めて、延べ141人が避難した。
 市は防災行政無線の屋外拡声器で避難所開設情報を伝えた。消防団が車両で広報し、ホームページ(HP)や電子メールの松本安心ネット、SNS(会員制交流サイト)でも情報を流したが、携帯電話を持たない高齢者らが頼りの屋外放送については、大雨で音が消されて「聞き取りづらかった」との市民の声も受けた。
 こうした反省点も踏まえて、市危機管理部は、防災情報を市民に的確・迅速に伝える必要があるとし、高齢者らを対象に固定電話を使った緊急時の情報伝達システムを早期に導入する方針だ。
 アクセス集中により県や県内市町村のHPが見づらい状況が続いたため、ツイッターなどのSNSを通して呼び掛けている防災情報の活用も呼び掛ける。危機管理課の遠藤隆政課長は「災害の危険が高まっている時は、あらゆる手段を使って一つでも多くの情報を入手できるようにしてほしい」と話している。
 女鳥羽川の水位上昇時は、県から市役所にファクスで水位の情報が随時送られてきたが、どの地点で氾濫する危険度が特に高いのか―といった踏み込んだ情報を共有する必要があったとする。市内を流れる中小河川を管理する県との連携をさらに密にしたい考えだ。