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市立病院に癒やしの音色 医師らが毎週演奏 患者の評判上々

 松本市立病院(波田)で週1回、楽器演奏が得意な医師や臨床検査技師、事務員らによる院内ミニコンサートが開かれている。5階の地域包括ケア病棟の食堂を会場に、長期入院患者に、ピアノやリコーダーでやさしい音色を奏で癒やしの空間を提供している。気がめいりがちな入院生活の中でも「楽しさが感じられる」と、患者や家族からの評判は上々だ。

 火曜日の午後1時から30分間で、8日はピアノ、バイオリン、リコーダーを奏でる5人が出演し、約20人の患者らを前に計8曲を奏でた。ショパンの「幻想即興曲」や人気の医療ドラマシリーズ『コード・ブルー』の主題歌、「ふるさと」などが次々と披露され、車いすの高齢者は体を揺らしながら聴いていた。普段は農業に励んでいる女性(69)は「入院生活の気分転換になる」と目を細めた。
 定期コンサートは2月に始まった。食事の気力も失っていた認知症の高齢男性患者が、院内音楽部を主宰する消化器外科医・黒河内顕さん(44)のピアノ演奏を聴いて回復に向かう変化が見られた出来事もあり、音楽療法や入院環境の改善を目的に実施している。音楽部員が業務の空き時間を利用して練習し、心を込めた演奏に備えている。
 同病院事務部によると、地域ケア病棟は急性期の治療を終えた人などが在宅医療に向かう段階で利用し、平均入院日数は昨年度実績で19日間と比較的長い。同病棟医長でコンサートを企画運営する黒河内医師は「少しでも気持ちを和らげられれば。楽都の病院にも少しでも音楽があふれるようにしていけたら」と話している。