連載・特集

日常に「楽しい」をもっと① 窪田保

楽しいをもっと.jpg 近年、けん玉は世界中に広まり、楽しまれています。私自身も20カ国以上を訪問し、大会運営や学校等での紹介に取り組んでいます。直近の海外訪問はネパール。今年6月、バクタプルという市でネパール初のけん玉大会に関わりました。けん玉を取り入れている4校から小学生80名が参加。けん玉は、日本から学校に寄贈されたものを、みんなで使います。
 最初の競技は、玉を大皿の上にのせ30メートル走り、そこでコンコンと「もしかめ」を5回し、また走って次の走者にバトンタッチする学校対抗レース。楽しそうに、真剣にけん玉をする子どもたち。大歓声の中、子どもたちがけん玉を持って駆け抜ける様子には心を打たれました。
 様々な競技が行われましたが、工夫されていたのは、個人のテクニックを競う大会ではなく、全員が参加できる仕組みにすること。低学年の子どもたちは応援に来て、けん玉をする上級生に憧れのまなざしを向けていました。「早くけん玉をする学年になりたい」という声もたくさん!
 広い運動場も、体育や音楽の授業も無いネパール。運動や情操が省スペースで増進でき、それが学力向上にも繋がるのではないかと、けん玉が注目されています。大会を企画したのは、兵庫県の関西学院大学のボランティア学生と、現地の校長先生たち。大学側は、けん玉が運動能力や学力へ及ぼす影響の継続調査のほか、現地でのけん玉製造計画も進めています。
 無い無い尽くしの環境でも、工夫次第で子どもたちの日常に「できた!」や「楽しい!」という瞬間を生み出せるけん玉。日本でも取り入れる学校が増えることを願っています。
(グローバルけん玉ネットワーク代表=松本市)
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 グローバルけん玉ネットワークは、けん玉W杯の主催やけん玉検定の運営など、世界中でけん玉の普及に取り組む団体です。窪田さんは、青年海外協力隊員としてモザンビークで理数科教員を務めるなどしたあと団体を立ち上げ、松本地方でも子供たちにけん玉の楽しさを伝えています。