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小児患者の訪問診療開始 安曇野・県立こども病院

 安曇野市豊科の県立こども病院は8日、在宅で人工呼吸器を利用している18歳未満の小児患者を対象とした訪問診療を始めた。病院で実施していた人工呼吸器の管や部品などを取り換える「デバイス交換」を患者宅で行うことで、医療機器を運びながら病院まで付き添っていた家族の負担軽減につながる。小児患者にとっても移動に伴う身体への負担が減る。同病院は来年4月1日に訪問診療センターを本格稼働させる方針で、中村友彦院長は「これがモデルとなり、地域に広がっていけば」と願っている。

 初日はセンター長の南希成医師や看護師ら計5人が、松川村内の染色体異常を患う男子児童宅を訪問した。南医師が児童の体調などを確かめた後、人工呼吸器や、胃に直接栄養を入れるための胃ろうのデバイスを交換した。処方箋も出した。
 男子児童の母親(46)によると、これまで人工呼吸器と胃ろうのデバイス交換で月2回、こども病院に通っていた。母親は「出掛けるにも人工呼吸器などを持っていくので大変だった。冬は屋外が寒くて、子供が熱を出すこともあった。担当の先生でよく知っているので大変ありがたい」と話していた。
 訪問診療を始めた背景には、在宅で人工呼吸器を使う小児患者の増加がある。平成10年に1人だったこども病院が診る小児患者数が、30年には58人となった。訪問診療は国の制度上、病院から半径16キロ圏内の居住が要件となるため、対象者は17人前後とみられ、うち5人が訪問診療を希望している。毎週火曜日に実施し、患者宅に月1回ペースで赴く。
 こども病院は今月、訪問診療センターをプレオープンし、訪問診療と訪問リハビリを柱に活動を展開する方針だ。訪問リハビリは毎週水曜日に実施していく考えだが、現在のところ希望はない。来春の本格稼働までに訪問する体制など詳細な仕組みを見直す。
 県保健・疾病対策課は、小児患者を対象に訪問診療を行っている県内の医療機関の数を把握していないが「多くはない」としている。

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