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長瀬博さん 米寿の独唱 穂高のコンサートに100人

 安曇野市穂高の声楽家・長瀬博さん(88)が5日、市穂高交流学習センター・みらいでコンサートを開き、70年以上にわたって磨き上げてきた歌声で独唱を披露した。カラオケ仲間から「不滅のテノール」と呼ばれる堂々とした優しい歌声に、約100人の観客から惜しみない拍手が送られた。

 米寿を迎えたことから「このような形のコンサートはこれが最後」と企画した。舞台では「見上げてごらん夜の星を」など8曲を続けて歌い上げた。
 長瀬さんは16歳で声楽を学び始め、音楽教師として県内の小中学校で45年間、教壇に立った。イタリア伝統のベルカント唱法を追求した高音域の美声と声量が持ち味で、重ねたリサイタルは400回を超えるという。
 教職を退いた後に胆のうの全摘出手術を受けるなど、度重なる病気に見舞われたが、歌うことを諦めなかった。長瀬さんは「支えてくれる人たちのおかげで歌い続けられた」と振り返り、取材に対し「自分の才能を信じて勉強してきた。ステージには立たなくても、死ぬまで美しく優しい歌声を追求していきたい」と話した。
 「テノール独唱とチェロ演奏の楽しい音楽会」と題したコンサートには、長瀬さんの親族のプロ・アマ4人のチェリストが出演したほか、教え子やカラオケ仲間も駆け付けた。30年ほど前の早春賦まつりで長瀬さんと親交を持ったという伊藤雪子さん(52)=東京都=は「歌声に元気付けられた。来て良かった。これからも歌い続けてほしい」とほほ笑んでいた。