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消費増税で小規模店困惑 負担増え経理事務複雑に

 消費税が8%から10%に引き上げられるとともに、消費者の負担軽減策として8%の軽減税率が導入されたことによって、事業者には帳簿や請求書に二つの税率対象を分けて記入する「区分記載」が求められるようになった。専門の経理担当がいない家族経営などの小規模事業者では負担が大きくなっている。

 松本市四賀地区・五常の商店「Yショップ四賀藤松屋」は4日、週末に地区内の神社の秋祭りが重なり、配達準備に大忙しとなった。6月に地区唯一のスーパー形態の店舗が閉店し、施設への納入や高齢者宅への配達などの業務も増えた。1個85円のショウガ一つでも、店に来るのが困難な山あいのお年寄りから頼まれれば宅配する。
 増税後は、一日の仕事の終わりに、その日に販売したものを税率8%と10%に仕分けて帳簿に記入する。家族と店舗を営む藤松幹展さん(84)は「自分もお客さんもポイント還元など新しい制度は分からないし、難しい時代になった」と話す。
 消費税の納税対象は年間の売上高が1000万円以上の事業者で、日々の売り上げを区分記載して整理し、個人事業主は確定申告をして3月末までに、法人は期末から2カ月以内に税務署に納税する。令和5年からはさらに登録番号の記載が必要な請求書などが求められる「インボイス制度」が始まる。増税と合わせて経理業務が増し、この機会に廃業を考える事業者が増えると見る関係者も多い。
 税務署などには1日以降、記帳や消費税申告準備など経理実務についての相談が増えている。松本税務署も12月まで中信地区各所で全7回、軽減税率制度の実務的な説明会を開催する。同税務署広報担当は「今後の確定申告を見すえて準備を進めてほしい」としている。

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