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穂高に「とこしえ歯科医院」開院 障害者の治療優先的に

 安曇野市穂高有明に今月、障害や疾患のある人たちの治療に優先的に取り組む「とこしえ歯科医院」がオープンした。医院内で騒いだり暴れたりするために周囲に気兼ねしてしまうとか、心疾患や脳卒中で普通に治療を受けるのが難しいといった人のために、地元と神奈川県の歯科医師2人が協力して開設した。

来年2月ころには軽度~中度の障害者を受け入れる併設の短期入所施設も開所予定で、将来は就労施設も設け、障害のある人と家族の憩いの場を目指すとしている。
 院長の中嶌哲さん(67)は池田町の安曇総合病院(現・北アルプス医療センターあづみ病院)の元歯科口腔外科部長で、日本有病者歯科医療学会の指導医も務める。障害や疾患のある人の治療に長く携わってきた中で、障害者が安心して治療を受けられる場所が少ないと感じ、松本歯科大学(塩尻市)に勤務していた時の後輩で神奈川県平塚市で歯科医院を営む水永久嗣さん(51)に相談した。
 同じく障害者の歯科医療に携わる水永さんも中嶌さんの考えに同調し、新たな医院を建設しようと長野県内で4年半ほど前から土地探しを始め、障害者福祉に総合的に取り組むため、財団法人「とこしえ文化事業団」を設立した。穂高有明に約1万5000平方㍍の土地を見つけて2年半前に購入し、医院建設へ準備を進めてきた。
 完成した医院内はバリアフリーで、診察室は大型の車椅子やストレッチャーが入れるようにスペースを広くとってある。治療後に横になって休める回復室も設けた。月、土曜の午後と水曜の午前中を障害者優先予約時間帯とし、他の時間でも要望があれば応じる。中嶌院長は「ここがモデルになって、県内に同様の施設ができてくれば」と話している。
 短期入所施設は定員3人の単独型事業所で、生活支援員3人が食事や入浴などの介護にあたる。財団法人の理事長を務める水永さんは「障害のある人とその家族に、まずは施設のことを知ってもらいたい。理想の施設づくりに向け、一歩一歩楽しみながら取り組んでいきたい」と意気込みを語っている。
 診療時間は午前9時~午後1時と2時半~6時半で、木、日曜と祝日は休み。問い合わせは、とこしえ歯科医院(電話0263・84・4618)へ。