連載・特集

2019.10.4みすず野

 中国は同じ「みち」でも区分し、「道」「途」「路」「径」に書き分けて使うという。道は人の歩く道のことで、人の行うべき道、すなわち道理という概念を生んだ。途は目的地までのみちを指し、途中、途上などの語もそれに類する◆路は人の歩く道に対して広い路、車馬が行き交える街路、大路である。径は小道、近道。このように漢字は作られ、違いを使い分けした。中国の気の遠くなるような長い歴史の中で築き上げられ、漢字は中国文明の象徴と言える。また孔子に対する老子、その両思想の深いこと。仏教伝来の国でもあり、日本から数え切れない僧が渡り、学び、教えを持ち帰った◆漢詩一つ取っても、どれほど日本文化に影響を及ぼしたことか。中国建国70年と言われても、中国文明と比較するとき、ピンと来ないが、日本による日中戦争、太平洋戦争があって、日本の敗戦後、内戦を経て共産党の中華人民共和国が誕生し、今日に至ったわけである◆いま中国は、経済大国化、軍事大国化によって、さまざまな問題を国内外に引き起こしている。文化の奥深さをみずから置き去りにしているように映り、少々寂しい。

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