連載・特集

2019.10.13みすず野

 この稿を起こした12日午後4時すぎ、穂高にある安曇野支社の外は雨脚も風もかなり強い。午前の松本駅では運休と最終列車を知らせるアナウンスが流れ、安曇野市の防災行政無線は一時避難所の開設を告げていた◆昨年9月の台風21号は記憶に新しい。護国神社の鳥居が倒れ、塩尻市の小野神社本殿を倒木が直撃。リンゴやナシの実も多く落ちた。過去の台風被害を調べると、松本地域では昭和58年や平成10年が特筆される。10年に松本で観測した最大瞬間風速37・6メートルは伊勢湾台風(昭和34年9月)の時の35・3メートルを上回った◆10年9月24日付の紙面を繰って「松本市は(被害)総額9億円余」といった見出しを目で追う。たまたまこの日の投稿欄に読者が伊勢湾台風の思い出を寄せていた―女鳥羽川が氾濫して市街は泥海となり、床上浸水が広がった。復旧事業で進められた完全護岸の完工に降旗徳弥市長が「災い転じて福」と言い、市民は喜んだ―◆取材から戻った同僚が避難所の様子を話す。90代のお年寄りが60代の娘に連れられて訪れ、ほっとした表情を見せていたいう。被害が少しでも小さいよう願い、パソコンの電源を切る。