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アサギマダラの里へ整備 穂高・小岩嶽の有志が遊休地活用

 安曇野市穂高有明の小岩嶽区の住民たちが、ふるさとを、渡りをすることで知られるチョウ・アサギマダラの里にしようと取り組んでいる。遊休農地にアサギマダラが好んで蜜を吸うフジバカマ(キク科)を植え、集まりやすい環境をつくって3年目で、9月に入って多くの個体を目にする時期を迎えた。区民同士の親睦を深め、区外の人も憩う地域を目指して活動の幅を広げている。

 保水や景観保全など農業の多面的な機能の維持に向け、地域の共同活動を支援する国の「多面的機能支払交付金」を活用して、小麦やソバ、サツマイモの栽培に取り組む「小岩嶽水農里保全会」(矢野口陽一代表、60人)が中心になって取り組んでいる。区内2カ所の遊休農地計8アールに当初植えた約300株のフジバカマは、3年間で3000株以上に増えており、アサギマダラのほかにもさまざまなチョウや昆虫が集うエリアとなった。
 28日には、アサギマダラの羽に捕獲場所や日付を書き込む「マーキング」の体験講座を区民向けに初めて開催する予定で、矢口代表は「自分たちでマークしたチョウが海を渡って海外まで旅するかもしれない。子供からお年寄りまで大勢の区民と一緒に楽しめれば」と話している。
 三郷昆虫クラブ代表世話人の那須野雅好さんによると、アサギマダラは2000キロにわたって旅をする個体もいるといい、日本から台湾まで移動することもある。安曇野市内で現在見られる個体は、東北地方などから南方へ向かう途中のものとみられる。
 小岩嶽水農里保全会は、有明地域で同様の活動に取り組む他地区の3団体とともに「有明の土地と水の会」(丸山茂会長)をつくっており、マーキング体験講座は水農里保全会と土地と水の会が共催する。矢野口代表は「農業の担い手が減り、生まれ育った古里の自然が荒れていくのを見るのは切ない。活動を通して、古里を元気にできたら」と話している。