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塩尻の畜産試験場で豚コレラ確定 全349頭の殺処分始まる

豚舎から豚を搬出する職員ら(県農政部提供)

 県は14日、豚コレラ感染の疑いがあった県畜産試験場(塩尻市片丘)の豚について、国の検査機関で感染が確定したと発表した。感染拡大を防ぐため、試験場で飼育している全349頭の殺処分を始めた。15日までに全頭を殺処分し、16日までに敷地内に埋却する予定だ。防疫体制を強化した県施設での感染確定は、関係者に衝撃を広げている。

 県の遺伝子検査で陽性だった8頭のうち、国の検査機関に送った2頭の検体で感染が確定した。県の抗体検査では陰性だったため、感染してごく初期の段階だったとみられる。
 県は対策会議を県庁で開き、本部長の阿部守一知事が殺処分を指示した。阿部知事は「こうした事態になったことは慚愧に堪えない」と悔しさをにじませた。
 殺処分は午前8時に始まり、午後2時までに225頭を処理。熱中症対策で同4時まで作業を中断したが、その後も続けた。農水省は14日、調査チームを現地に派遣した。
 国の防疫指針は豚コレラの感染確定から24時間以内の殺処分、72時間以内の埋却処分を義務づけており、農場の消毒を含む一連の防疫措置には3日間で延べ400人が動員される。県内での豚への感染確認は、2月に愛知県から感染した子豚が運ばれた上伊那郡宮田村の養豚場での発生以来7カ月ぶりで、7月に木曽町で野生イノシシの感染確認からは初めてとなる。
 試験場は野生イノシシの侵入防止柵を二つ設け、さらにネットを張る3重の対策を施していた。イノシシ侵入の痕跡は確認されていない。県農政部は「何らかの課題があった結果、感染につながった。原因を突き止めた上で万全の体制を構築し、早期再開を目指す」としている。