政治・経済

空き家情報提供同意1割 安曇野市が意向調査

 空き家を移住・定住策に生かす方針の安曇野市は11日、昨年度に確認した空き家1143件について意向調査を行ったところ、約11%に当たる129件の所有者が不動産業者など外部への情報提供に同意したことを明らかにした。利活用に理解を示す所有者がいた一方で、当面の現状維持や建物の解体を考えている人も多い。市は仲介サイト「空き家バンク」への登録物件を増やし、流通を促したい考えだ。

 市議会総務環境委員会で報告された。市によると、昨年度の調査で把握した1143件のうち所有者不明などを除く1108件の所有者に5月末に調査票を発送、8月末時点で585件の回答があった。このうち129件は空き家バンクに登録する不動産業者または空き家相談会、市農業委員会などへの個人情報の提供に同意した。
 利活用に関する質問では「空き家バンクの利用を希望」(106件、25%)など明確に利活用の意向を示したのは回答者の約3割にとどまった。最も多かった回答は「すぐにではないが、将来的には利活用を考えている」の117件(28%)で、利活用の必要に迫られていない、当面は現状のままでいたいという考え方が、空き家問題の背景にあるとみられる。
 空き家の建築時期は旧耐震基準の昭和55年以前が65%、空き家となった理由は居住者の死亡が46%を占めた。家財などの処理、解体費の捻出、売却・賃貸相手が見つからないといった声が目立ち、市に期待する施策は「解体費の補助」が突出して多かった。市環境課は「更地にしないと売却できないという意識も働いているのではないか」とみる。
 情報提供される物件は、市を通じて空き家バンクに登録する不動産業者などに位置情報などが伝わる。所有者と業者の交渉がまとまればサイトに掲載される。宮澤万茂留・市民生活部長は委員会で「あらためて空き家の管理、利活用について関係部署と力を入れながら取り組みたい」と述べた。