連載・特集

2019.9.17みすず野

 国道など大きな道路を走っていて、信号待ちで車を止める。横に目をやると、家の庭に草木が生い茂り、窓が閉め切られている。ここも空き家なのだ、とため息が出る。村部ばかりでなく、街中にも空き家が目立つようになった◆空き家は住む人がいない家を指すが、かつて当たり前と思っていた家の存続が、いま当たり前ではなく、むしろ難しい。未婚化が進み、結婚して子どもがあっても、その子どもは親と離れた場所に住んでいる。跡継ぎがいない家は空き家となってゆく。塩尻市内に空き家は879件(平成30年度末)あり、5年間で4割増えた、と報じられていた◆ある民間研究所の試算だと、15年後に全国で空き家は約2167万戸に増え、空き家率は30%を超える。つまり、3戸に1戸が空き家になってしまう。えらいことである。空き家は放置されるケースが多く、景観上、防犯上良くないが、対策が追いつかないのが実情と言える◆一方で、総住宅数は増え続け、新しい家を建てる人たちは多い。空き家を活用して住む方向に、政策的に誘導できればいいが、快適な新築家屋を求めるのは自然なこと。難しい話である。