連載・特集

2019.9.14みすず野

停電が4日間以上に及ぶ生活を想像してみる。冷蔵庫や扇風機が使えず、携帯も通じない。自分のことで恐縮だが、新聞を読者に届けられるか。印刷なら他紙に頼めるかもしれないが、記事や写真を送るパソコンが動くだろうか◆台風15号の直撃を受けた千葉県内の大規模停電が報じられる。山あいの集落や高齢者、病院や介護施設の窮状は生命に関わる。断水も続くなか、水や食料の買い出しに徒歩で10キロ―ともあった。南松本~塩尻や上高地のバスターミナル~横尾の距離をほぼ毎日歩かなければならないとは◆コンビニの棚から食品が消える事態を木曽支局赴任時に経験した。大雪で国道が止まったのは噴火の年だから5年前だ。断水と聞くと渇水で学校の給食から汁物や野菜が消え、パンばかりとなった記憶がよみがえる。停電の思い出はろうそくの灯と、電気がともったうれしさくらいか◆長引く停電で各紙は電柱の強度基準の見直しや電線の地中化、非常用電源の備えを急げと説く。大切なことだ。当たり前と思っていた事が当たり前でないと、あらためて周りを見回したい。早い完全復旧を祈り、電気があるありがたさを思う。