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消費増税へ商店準備着々 制度複雑混乱への懸念も

 税率が8%から10%に引き上がる10月の消費増税が約1カ月後に迫った。飲食料品などを対象に税率を据え置く軽減税率制度や、キャッシュレス決済をした買い物客にポイントを還元する制度なども同時に開始される。同じ商品や店内でも違う価格が混在する状況になり混乱も懸念される中、各店は増税による消費への影響を懸念しつつ準備を急いでいる。

 飲食店運営の王滝(松本市笹賀)は、軽減税率に対応したレジの導入を進めていて、9月末まで完了させる。すしを中心に軽減税率が適用されるテイクアウトの強化を図る。価格は増税分を上乗せするのではなく、メニュー構成を見直す方針だ。
 菓子製造販売の翁堂(大手4)は、現金で支払う人が多いため、ポイント還元制度の参加を当面見送る考えだ。おまけの菓子をプレゼントする独自の「還元」を考える。木内基裕社長は「キャッシュレスが増えるのは間違いないが、少し様子を見守りたい」と話す。
 市民タイムスが7月に中信地方の企業を対象に実施したアンケートでは、消費増税分を価格に全て転嫁すると回答したのは全体の42・7%にとどまった。価格を内税表示にしている市内のある飲食店は、10月以降も価格を据え置く。店間の競争が激しいことから値上げによる客離れを懸念し、店主は「増税で買い物や飲食を控える動きも心配」とも話す。
 コンビニエンスストアのローソン(東京都)は、持ち帰りで食事を楽しむ「中食」需要が増えると見込み、9月から総菜などの商品を強化する。価格が店内で混在するためレシート表記を改めて混乱を防ぐとし、クレジットカード会員向けに独自のポイント還元制度も設ける。
 松本商工会議所には、レジ購入費用を補助する軽減税率補助金などの問い合わせは一段落し、10月以降の価格表記の仕方など販売面の相談が多くなっている。9月以降は帳簿記入や申告など実務のポイントを解説するセミナーを開いていく。中小企業振興部は「手探りの事業者が多いとみられ、今後相談が増えることも予想される。必要とされる情報を随時、提供していきたい」としている。

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