教育・子育て

長期休み中は児童館が大混雑 地域住民が新たな受け皿模索も

子供たちでいっぱいのクラブ室(鎌田児童センター)

 夏休みなど長期休み中の昼間、保護者が家にいない小学生(主に1~4年生)の多くが利用する公的な児童センターや児童館で今、利用者増に伴う混雑が問題になっている。背景には共働き世帯の増加などがあり、今夏も、施設側は猛暑の中での安全で快適な環境づくりに苦労した。行政任せにしない取り組みが必要ではないかとの声もあり、地域住民が新たな居場所づくりを模索する動きも出ている。

 安曇野市の三郷児童館には連日、通常より3割増しの約130人が訪れた。熱中症予防のため、気温が31度を超えた場合、外遊びを中止にして子供の安全を最優先したが、屋内だけでは手狭で「外に出られずイライラするためか」、子供同士のけんかもあった。
 松本市の鎌田児童センターは通常より3割増の1日約200人が利用し、連日子供がひしめき合う状況だった。2部屋にしか冷房がないため、冷房のある部屋から扇風機で風を送る対策を講じたが、暑さで鼻血を出す子供もいた。鎌田小4年の岡陽向子さん(9)、高山華乃音さん(9)、石倉桃香さん(9)は「やっぱり暑い。『静かにして』と言っても人が多くて静かにならないのも困る」と話す。
 長期休み中は、通常より長く開館するため、松本市社会福祉協議会の児童館担当係長・赤羽健次さん(68)は「11時間利用する子もいて心も体も心配だ」という。
 利用者増で、スタッフ不足もさらに深刻化している。安曇野市から受託し、市内で児童クラブを運営する市社会福祉協議会子育て支援係主幹係長の上兼裕さん(47)は「万全の体勢を整えたいが人の確保が難しい」と話す。
 こうした状況を踏まえ、地域に新たな受け皿をつくる動きも出てきた。塩尻市吉田地区では「吉田夏ゼミ」と称した吉田小コミュニティ・スクール事業の一環で、夏休み中に学習支援など計12講座を開講し、子供を受け入れた。5講座に参加した5年生・西山空良君(11)は「宿題もはかどるし、思い出になる」と歓迎する。吉田小PTA(奥原幸子会長)も同じ事業の一環で8月上旬、こども食堂を兼ねた「吉田っ子レストラン」を企画、運営した。
 子供の育ちについて幅広く研究する松本大学人間健康学部の犬飼己紀子教授(69)は「親を含め地域の大人が手間をかけて何ができるか。考えなければいけない時期が来ている」と指摘する。

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