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シンボルの桜次世代へ 松本の美芳町町会

 松本市平田東3の美芳町町会の住民有志たちが、地元の公民館の桜の木を次世代に残そうと、苗木を育てる活動に尽力している。毎年多くの住民が花見を楽しむ「街のシンボルツリー」となっているが、樹齢50年ほどといわれ、根元部分が朽ち、大きく枝を張った幹が倒れないように支柱を添えている状態だ。有志たちは、伐採して植え替えが必要になるなどの万が一に備えて、苗木を立派な木に育てる考えだ。

 町会内の草刈りや樹木の手入れを長年奉仕で取り組んでいる70代を中心とする有志5人が今春、「美芳町美化推進委員会」を結成した。地元の公民館「美芳町会館」の桜の木2本の保存活動に本格的に乗り出した。
 根元から生える若芽「ひこばえ」を5月末から育てている。現在は苗木3本を、皮を一部はがして発根させて木を切り取る繁殖方法「取り木」で育て、水やりや観察を続けている。根がたくさん生えてきたら苗木を切り、住民の厚意で提供された畑に植えて大きく成長させる予定だ。
 推進委員の中には樹木の栽培に詳しい専門家はおらず、みんなで知識とアイデアと労力と道具を出し合って手探りで取り組んでいる。桜に「次世紀観賞用『美芳桜』」と個人的に名付けて愛着を持つ伊藤秀夫さん(79)は「苗木を増やすために自宅で挿し木をしてみたが取りかかる時期が遅かったようで今年は失敗した。また挑戦する」と意気込む。苗木の成長を見守る榊原達哉さん(74)は「地域のために、親木から子供の木を育てることで次の世代に桜を残し、30年後、50年後も美芳町の名物であってほしい」と願う。