政治・経済

発達障害相談 利用者が増 松本市の事業10年目

 発達段階の特性を含め、育ちに心配がある子供とその親を継続して総合的に支援する、松本市の「あるぷキッズ支援事業」が10年目に入った。平成22年度の開始から相談利用や支援対象者は増加しており、背景には発達障害の認知が進み、事業の浸透があると考えられる。教育、医療、福祉の現場と連携し、親子の成長を後押しする役割を担っている。

 あるぷキッズ支援室は、「常設相談窓口」の開設、乳幼児健診後の追加支援「あそびの教室」、良好な親子関係を築く保護者教育「ペアレントトレーニング」、支援計画作成のため保育園や学校への「巡回支援」に取り組む。市役所こども福祉課事務室内に置かれ、28年度のなんぷくプラザ(双葉)開設に伴って移転し、機能を集約した。保健師、理学療法士、保育士、教育相談員ら職員15人が対応している。
 昨年度は、発達に関する相談が電話と面談を合わせて331人・515回で、22年度の85人・126回に比べ人数、回数とも約4倍になった。巡回支援の対象児は同比1・7倍の903人で、29年度は1188人に上った。円滑な就学に向けて29年度には4、5歳児を主に「相談事業に注力した結果」(支援室)という。30年度は自閉症スペクトラムや注意欠如多動性障害など診断名が付く児童は138人で、診断名がないが支援対象の子が大半だ。
 支援室は、保護者に寄り添って適切な関わりが持てるようにし、必要な場合は療育につなげる。教育支援を受けた親は、行動改善とともに「親子関係にゆとりを感じられるようになった」と肯定的な意見が大半だ。藤松美紀課長補佐は「家庭だけでなく周りの大人の理解がより一層進めば」と話し、今後の課題に障がい者相談・支援センターWISHなどとの連携も挙げる。
 10周年を記念し、来月8日午前10時から波田文化センターアクトホールで、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室の本田秀夫教授の基調講演やシンポジウムを開く。問い合わせは支援室(電話0263・24・1235)へ。