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山形伝統のそばの食文化復刻へ 焼きみそメニュー固まる

焼きみそなどを添えたそばの味を確かめた試食会

 地域での昔の食べ方の復刻を通じて、そばの新メニューを考えている山形村の若手そば職人とソバ生産者のグループが、メニューの「定義」を決めた。焼きみそと大根おろしをそばに合わせる昔の食べ方を基に、みそにすった長芋(とろろ)を織り込むなどの工夫を加えた。11月11日に参加5店で発売し、食べ歩きの企画も用意する。

 焼きみそと大根おろし、だし汁を出す。客がそばちょこで全てを混ぜたものが通常のそばつゆに当たる。村産そば粉の使用や、皿に載せる「皿そば」とすることも定義に加えた。
 村内の上高地みそが提供したサンプルの4種類の特徴を考え、複数を合わせたみその素朴な風味が、そばを引き立てる。長芋の使用は村特産であることなどを意識した。
 定義を守った上で、焼きみそにほかの食材を入れたり、だし汁の素材を工夫したりするのは各店次第とし、それぞれに個性を打ち出す方向だ。
 下大池のそばカフェ水舎で21日夜、協力者を招いて試食会を開いた。上高地みその赤羽総一郎社長は素材で想像したみそ汁の味とは一線を画しているとし「バランスが取れていておいしい」と評価した。村観光協会の林和男会長は「固定観念とは違う新しい世界を見せてくれた」と話した。
 本庄利昭村長は「互いに響き合い、可能性を探っているのがいい。村民力や地域力の向上につながれば」と期待する。
 11月11日の発売の前にある松本市や村内でのそばの大きなイベントでも試食の機会を設けて食べた人の反応を見極めるなどし、さらにメニューを磨く。本庄村長にグループの命名を依頼し、メニュー名も検討する。
 戦後しばらくの間までの民家では、焼きみそと大根おろしでそばを食べるのは普通だったという。グループは30~40代の6人で、往事を知る人たちへの聞き取りやみその研究などを重ねている。林武範さん(41)は「各店で楽しんでもらいたい。村のそばの歴史を含め、私たちの世代が引っ張り、次代につないでいく」と意気込んでいる。