教育・子育て

松くい虫被害防止へ調査・研究 丘中学校科学部生物班が奮闘

校内にある松林に設置した捕虫器を下ろし、内部を確認する部員たち
 塩尻市の丘中学校科学部生物班が、校内の松林で松くい虫についての調査研究を行っている。校内の枯れた木から松枯れの原因となるマツノザイセンチュウの抽出に成功したほか、線虫を媒介するマツノマダラカミキリも発見した。生徒たちは「身近な松林を守りたい」と熱意を持って研究に取り組んでいる。
 生物班は代々、校内に生息するクモについての研究に取り組んでいる。3年前、近隣の住民から「赤木山(松本市寿小赤)で松くい虫被害が出ている。こちらにも来ているか調べてもらえないか」と依頼を受けたが、班員が少なく対応できなかった。現在の3年生が入学して人数が増え、「クモがカミキリを捕獲して侵入を防いでいるのでは」との仮説を立てて研究に着手した。  手始めに、校内で枯れて倒れていた木を削り、木くずを水に浸して線虫を取り出すベールマン法を試し、マツノザイセンチュウを発見した。夏休み初日の7月26日、2年生の三間優輝君が、敷地内でクモの巣にかかったカミキリを初めて捕まえた。調べたところマツノマダラカミキリであることが分かった。体育館脇で枯れ始めた松も見つけ、線虫を発見したため市に通報し、伐採につながった。  カミキリを捕獲しようと、植木鉢などを組み合わせた捕虫器も自作して松林に設置している。3年生の藤澤秀光君は「松林を守るため、被害木を早く切るためにカミキリを見つけたい。クモが役に立つことも証明したい」と意気込む。  市森林課によると、市内の松くい虫被害の発生状況は4月から7月まで68カ所で、前年同期より20カ所多い。平成28年度は1年間で50カ所で、29年度72カ所、30年度170カ所と加速度的に増加している。同課の担当者は「松林があるという環境はあるにせよ、中学生が松くい虫の調査をするのは県内でも珍しいのではないか」といい、「身近な問題から関心を持ち、自然や森林を保全する意識を高めてもらえたら」と期待している。