政治・経済

防草シート 中山で実証実験 松本市 草刈り省力化へ

 松本市は9日、中山間地域の農地で課題となっている草刈りの省力化に向け、あぜの斜面に防草シートを張って効果を確かめる実証実験を中山地区で始めた。里山の景観に配慮して茶色を採用したほか、シートに穴を開けて芝を植える既製品の手法は取らず、もともとある雑草を一定程度生やして斜面の保持に生かす。実験がうまくいけば年3~4回行われる草刈りが1回で済む可能性がある。

 市の中山間地域農業活性化プロジェクトの一環で、県松本農業改良普及センターや、繊維資材メーカーの小泉製麻(神戸市)と連携して3年間行う。
 市によると、中山間地域では農地の整備で1カ所当たりの面積が広がった一方、隣接する農地などとの高低差が大きくなってあぜの斜面がきつくなっているケースがある。農家の高齢化や担い手不足が進む中、労力や安全性の観点から草刈りが課題になっている。
 実証実験では、小泉製麻から提供された幅1メートルの防草シートを50メートルにわたってあぜの斜面に張った。防草シートは黒色や緑色が多いが、冬場も目立ちにくい茶色にした。市農政課は「中山間地域の景観は宝。そこに違和感が出てしまう状態はどうなのだろうかと考えた」と説明する。
 さらに、生態系に配慮して西洋芝を植えないことで、芝の苗を購入する費用がかからない利点もある。シートの素材は化学繊維でできていて太陽光を通すため、斜面が崩れないために必要な草がシートの下から一定程度生えてくるという。
 課題となっている草刈りの省力化に向けては、自律移動ロボット技術を活用した「半自律式草刈り機」の実証試験も中山地区で今年始まっている。農政課は「草刈りの労力が軽減されることで、担い手確保や新規就農者が増えることにつながれば」と期待する。